当院のリウマチ科では、関節リウマチ(いわゆる「リウマチ」)を中心に診療を行っています。特に30~50代の女性に多くみられ、早期発見・早期治療が鍵となります。
リウマチとは
関節リウマチは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、痛みや腫れ、関節の変形を引き起こす病気です。放置すると関節の動きが悪くなり、日常生活に支障を来します。主に30~50代の女性に多く発症し、自己免疫疾患の一つに分類されます。
リウマチになりやすい人
リウマチはあらゆる年代で発症し得ますが、30~50代の女性に多い傾向があります。家族にリウマチ患者がいる方、喫煙歴のある方は発症リスクが高く、生活習慣や体質が影響すると考えられています。
リウマチの初期症状
初期には「朝のこわばり」「手指の関節の痛みや腫れ」「微熱やだるさ」などが現れます。左右対称の関節症状が特徴的で、指先など小さな関節から始まることが多いです。こうした症状が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
リウマチの診断
- 問診・視診に加え、以下の検査を行い総合的に診断します。
- 血液検査:抗CCP抗体、リウマトイド因子、CRPなどを測定
- 画像検査:レントゲン、必要に応じてエコーやMRIを実施
- その他:尿検査や他疾患との鑑別も行います
早期リウマチでは画像に異常が出にくいため、関節エコーが有効です。
当院でのリウマチ治療
当院では、関節リウマチの治療として、以下の4つの柱を組み合わせて総合的に対応しています。
基礎療法(生活改善)
関節にやさしい生活習慣の工夫や、禁煙・栄養管理・適度な運動を通じて、症状の悪化を防ぐセルフケアを支援します。日常生活へのアドバイスも丁寧に行います。
薬物治療
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド、抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)、生物学的製剤、JAK阻害薬などを症状や体質に応じて組み合わせて使用します。副作用にも配慮し、定期的な検査を行いながら安全に治療を進めます。
リハビリテーション
関節の可動域を保ち、筋力を維持するために、理学療法士によるリハビリを行います。関節の痛みを軽減し、日常動作をスムーズに行えるようサポートします。
手術治療
薬物療法やリハビリでも症状の改善が難しい場合、関節の機能回復や痛みの軽減を目的に手術を検討します。滑膜切除術、人工関節置換術など、症状に応じた手術を行い、術後のリハビリも丁寧にサポートします。